「ワンダー 君は太陽」観想
(TOHOシネマズ新宿/2018.6.16)
「ワンダー 君は太陽」を観た。
率直に言って、良かった。思ったよりずっと。
観賞前に物語の設定は知ってしまったから、ある程度ストーリーの予想は出来た。
結末に至る大筋も、結末も、大体は思った通りだった。
しかし、ここまで「焦点」が多岐に渡るとは思わなかった。
中心は、当然、オギーである。
そして、その両親を重点的に描くのは自然だ。
そこに、長女のオリヴィアのストーリーも大きく関わる。
さらに、関わる人々の物語も徐々にスポットが当てられてゆく。
そう、まさにオギーという「太陽」を中心に回る太陽系の惑星を
それぞれ紹介するかの如く。
「太陽」が中心になる、それは致し方ない。
しかし、(「太陽」を中心とすれば)「惑星」(となる「惑星」たち)
にもそれぞれ個性があり、それぞれがひとつのかけがえのない「命」であり、
それぞれがそれぞれを中心とした人生を歩んでいるのだ。
それをコンパクトにして簡潔ながら決して深みを失わずに描いている本作は
「人間」に確かに触れているものであった。
(特に、長女・オリヴィアのパートが好きだった。)
そういう意味で、本作は佳作であると思う。
「ありがち」感は(その主役の人物設定も手伝って)どうしてもぬぐえないが、
それがどうでもよくなるほど深く胸に響く物語であった。
たまにこういう「心洗われる」作品を観ることは大事だなと思った。