「万引き家族」観想
(新宿バルト9/2018.6.17)
「万引き家族」を観た。
もう(相変わらず)素晴らしかった。文句無し。
カンヌ・パルムドールを受賞したから言うのではない。
本当に素晴らしかった。
とにかく、つまるところ「『人間」を描いている」から、素晴らしいと思うのだ。
「誰も知らない」を観て、そのあまりの「リアルさ」(「ドキュメンタリーっぽさ」)
に衝撃を受けたあの日から十数年。
一回りして更に「深化」した感が半端なかった。
(あ、流行語を使ってしまった)
とにかく深い。
それを、さらっと、何気なく、でも確かにありありと描く。みせる。
「日常」に、人間の、人生の「深み」が凝縮してある。
それに気付いているからこそ、映画作品を通じて気付かせてくれるのだ。
描かれているもののひとつは「豊かさ」だ。
「万引き」をしている、しなければ成り立たない生活をしている家族を通じて
描かれる「豊かさ」。
それは「価値観の多様さ」という豊かさだ。
(そこには「『絆の在り方』の多様さ」という豊かさも、もちろん含まれている。)
やっぱすごいわ。
やっぱり是枝監督の作品好きです。
今年今んとこNo.1。