「新感染 ファイナルエクスプレス」観想
「新感染 ファイナルエクスプレス」(@新宿ピカデリー)
韓国映画の「新感染 ファイナルエクスプレス」を観た。
まず簡潔に言ったら、まぁ良かった。
もう終わってしまった長瀬くん&吉岡里帆主演の今クールドラマ「ごめん、愛してる」
も観てたけど、良かったなぁ。特に最終回の方にかけて。
あれも韓国原作だそうで。今(ホントに)にわかな韓流ブーム??
韓国はああいうドラマティックなのが得意なのかな?
韓国モノそんなに観ているわけではないからよくわからないけれど。
出ている役者陣全然知らない人たちだったけど、それも良かったし。
まず子役がかなり良かった。最初特別かわいくもないしパッとしない印象だったけど。
あとは新井浩文と葉加瀬太郎を掛け合わせたようなオッサンも味があって良かった。
※いちおう、この先ネタバレアリの注意書きここで書いときます※
作品は総合的には粗削りだったけれど、勢いがあるというか。
最初の方にも言ったけど、ああいう緊迫感のあるというか
ドラマティックな作品が韓国は得意なのかな。
導入部分の流れもそうだったけれど、なかなかにリアルで、テンポの感じも良くて。
しかし最近のゾンビはなぜああも機敏なのか。
自分の拙い認識では「28日後…」くらいからだと思うんだけれど、
ゾンビの身体能力が高いんだよな~…。
その昔俺のトラウマ映画だった「バタリアン」の頃は、ゾンビ側の動きが
ノロかったことによるおもしろさがあったんだけれど
最近はそれではやっぱり緊迫感が出ないのかな。
それはさておき、今作がおもしろかったのは、
人間ドラマもちゃんと据えていたことによると思う。
典型的ではあるが「人間の嫌な部分」を担うキャラもしっかりいたし、
ニュースで流れる「政府」の報道にも「シン・ゴジラ」に通ずる
ジャーナリスティック性もあったし(日本でも同様になるだろうと沁々と感じた)。
結構「進撃の巨人」的に「え、お前も死ぬ(ゾンビ化する)の?!」
っていうのもあり、そこも含め「イマ風」でドラマティックなんだけれど、
ラストはまぁ落ち着くところに落ち着いた、というか。そうなるだろうね、という。
「『守るべきものがある』という人間が強い」 という人間学の基礎を押さえていたのが
とりあえず感じいいよね(その「次」に強いのが「とにかく自分の保身しか考えない」ヤツ、というのが哀しい現実なのだけれど…)。
そしてラスト。
「父」が選択したのは、愛する娘に「生きる術」を真っ先に教えること……
その人間学的に真っ当な判断が、この作品を単なるゾンビ・パニック映画にしていない
ドラマティックなところ。
「仕事に没頭していた(「『心』を『亡くしていた』」)父が、極限状態で「人間性」を取り戻す物語でもある(…完全に人間性を「取り戻した」時点で迎えたあのラストは、やはり……)。
第一子に娘を授かった(次男もいる二児の父である)兄がこの映画を観たら
むせび泣くことだろう。
2時間、「映画を観たっっ!!」っていう感じ。
その作品世界にすぐに惹き込まれるし、そこからノン・ストップだし。
おもしろかった。
まぁ別にネタバレも全然してないと思うけど、
これは(もうすぐ「前日譚」のアニメ「ソウル・ステーション パンデミック」も日本公開されるみたいだけれど)すぐに2~3作続編が出来そうな作品だね。
「新感染 ファイナルエクスプレス」、良かったです。